私の作品のテーマは、日常生活の中で出会う身近な「哲学」です。
私たちは日々さまざまな「疑問」や「気づき」に出会います。
それらを『Song of Life』と呼んで個展や画集のシリーズタイトルにしています。
当初は、とても個人的な「疑問」や「気づき」だと思いつつ表現していましたが、
各地で作品を観ていただくうちに、育った環境や国籍、信じる神様が違っても、
なぜか自分ごとのような「共感」を皆さんに感じていただいていることがわかりました。
それは、人間は抗いがたく「同じ」であることの証明でもありました。
笑ったり、泣いたり、ねたんだり、怒ったり、夢をみたり、誰かを大切に想ったり…… どこでも変わりのない人間の心の動きや人生に目を向けることで、一人ひとりが自分という存在を俯瞰して考える時間をもつことができれば、もっと謙虚に互いを思い合って、どんな生物にも居心地の良い世界を育むことができるのかもしれない。
いまは、そんな希望を抱きながら制作を続けています。
画材はアクリルガッシュやオイルパステルなどのミクストメディアで、コラージュも取り入れながら表現しています。また、コンセプトとなる短い詩を添えているのも特徴。絵と詩を合わせてひとつの作品になっています。
作品を眺めながら、ほんのひととき、自分と向き合う時間をもっていただければ幸いです。
片岡理森
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